携帯電話のメモアプリを眺めていたら…
携帯電話のメモ機能。
思いついたときに気軽に記録できるので、重宝しています。
- ふとした会話に出てきた、おいしいお店の名前。
- 新しく仲良くなったお友だちの名前。
- 明日までにしなければいけない、TO DOリスト。
- 買い忘れを防ぐ、お買い物リスト
メールやLINEの文章も、いったんメモアプリで下書きをしてから、再度チェックをして送るようにしています。誤字脱字、誤変換は大体これで防げるし、送信先にしっかり内容が伝わっているかも改めて確認できるので、安心なのです。
携帯電話の中身を重くしたくないので、送り終えたり、ノートやカレンダーに書き写したりと、任務を終えたメモの投稿は削除するようにしています。
でも、そんなメモ断捨離(?)をかいくぐって、ひっそりとメモアプリの中に残っている記録もある。
本の中で出会った胸を打つ言い回しや、日常生活に起きた、些細なことだけど、忘れたくないような出来事。
保護者面談のときに聞いた、学校での様子とか、
こどもが小さかった時に漏らした、かわいいひとり言とか。
その中のひとつ。 当時幼稚園の年中さんだった次女のつぶやきを記録したメモに、目が留まりました。
「だからかいたくなかったんだよ…」
あぁ、そんなことあったなぁ。
次女がおたまじゃくしを持って帰ってきた!
暑い暑ーい5月の終わりに、確か次女が、幼稚園の行事で、近くの池でおたまじゃくしを捕まえてきたんだった。
幼稚園のお迎え時間。クラスから飛び跳ねるようにでてきた次女の右手には、ペットボトルに入った一匹のおたまじゃくし。
「ねぇママおねがい…おうちに持って帰りたい!!おたまじゃくし、かってみたいの!」
「飼いたいの?お世話できる?」
「うん できる! なまえもきめたよ、しーなくん!!」
次女は当時、虫が大の苦手でした。
両生類や爬虫類も、きっと苦手だろう、と思っていたのですが、
小さな音符のようなアマガエルのおたまじゃくしがとってもかわいかったそうです。
本人が「やってみたい!」と思うことってとっても大事だよなぁ。
うまくいくこと、うまくいかないこと、きっといろいろあるけれど。
可能な限り、かなえてあげたいし、経験させてあげたいな。
そんな風にして、おたまじゃくしのしーなくんが我が家にやってきたのでした。
しーなくんのおうちづくり
家に帰るや否や、次女は外物置にいちもくさん。飼育ケースがしまってあるのです。
奥底からよいしょよいしょとひっぱりだして古い砂利や大き目の石を配置します。
昔めだかを飼っていた時のものがまだ残っていたので再利用。
そのあと、しっかりカルキ抜きした水も注ぎました。
しーなくんに快適なお家になったかなぁ。
持ち帰ったペットボトルの水ごと飼育ケースの中にゆっくり移し替えた。
「しーなくんハウス」の中で元気に泳ぐ、しーなくん。
ひとまずほっとしたのを覚えています。
手が生えた!!足がはえた!順調に育つしーなくん
エサをあげるのは次女が担当。オタマジャクシは雑食性。主食はメダカのえさです。たまーに茹でた青菜なんかも入れたりしてね。
しーなくん、もともと元気な個体だったのか、エサもよく食いつき、元気に泳ぎ回っていました。
すくすく順調に育つしーなくん。体も大きくなって、2週間でまずちっちゃい前足が生えてきた。そのあとすぐに後ろ足も!
次女とウキウキしながら飼育ケースに土のコーナーを作り、水陸両用の飼育環境を整えてあげました。
夜になるまでには、しーなくんも足の使い方のコツを覚えたようで、飼育ケースの側面をよじ登ってきくるようになりました。
そのしぐさはすでにカエルそのもので、頼もしい!
しーなくんよ。我が家に来てくれて、ありがとう。
ていうか、なんてかわいいんだ!よじ登っているときの足の裏側がまたかわいい。
私は次女と夢中になってカメラを向け、ベストアングルを探しました。
「これはもう、カエルになっちゃうね! 」
「そうだね、ごはんも生きた虫になるから一応明日から虫もあげてみよう」
なんて話をしながら布団に入った。
突然のしーなくんの死
次の朝、起きて飼育ケースをのぞくと、しーなくんがひっくり返って動かなくなっていた。
こんなに小さな身体だけど、「生」の気配がみじんも感じられなくなったことに驚きを感じました。
お世話を楽しんでいた次女には非常に言いづらい。
けれど彼女に伝えなくては。
「あのね、…おたまじゃくしのしーなくん、動いてないの。死んじゃったのかもしれない」
「えっ!! なんで?ちょっとまってて、みてくる!!」
慌てて飼育ケースに駆け寄った次女の背中がみるみるうちにこわばっていく。
「しーなくん……だから かいたくなかったんだよ……!!」
絞り出すような、自棄になるような、小さな声で次女がつぶやいた。
生き物は必ず死ぬ
生き物は、必ず死ぬ。しーなくんも例外にもれず、死んでしまった。
ほとんどのペットは人間よりも早く寿命を終えるし、飼い主は、その一生を看取って悲しまなければならないんだよ。
重いよね。
あなたはまだ、5歳だもんね。
でも、なんだか上っ面のなぐさめも違うような気がして、
お互い無言で、しーなくんを埋葬したんだったなぁ。
苦くて悲しい経験になってしまいました。
あれから2年… 生き物を飼育することへの気持ちが変わった次女
あれから2年。
2度、おたまじゃくしのシーズンがめぐってきたけれど、次女はあのときのように、
「おたまじゃくし、かってみたいの!」
とは言ってこない。どんな気持ちでいるのか、知りたい気もするけれど、聞き出すようなことでもない。
我が家は昨夏、カブトムシの幼虫をもらいました。
まださなぎだけれど、まるまる太って元気そう。
今回は次女はお世話にあまり積極的に関わってはいないけれど、
気になりはするのか、毎朝昆虫マットの中の幼虫を見ながら、学校に出発します。
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