心ゆるゆる、顔ニヤニヤ。笑える処方箋の『ナンシー関の記憶スケッチアカデミー』。

幼い頃はよく喧嘩をしていた年子の私と姉ですが、今ではとても仲が良い。

妹も含め、小さな頃からおすすめの本や漫画を教えあったりしている三姉妹の私たちですが、姉が教えてくれたこの本が好きで、何回も読み直しています。

ナンシー関さんの『記憶スケッチアカデミー』だ！

『ナンシー関の記憶スケッチアカデミー』って？

与えられた『お題』を、『通販生活』の読者が記憶だけを頼りにして、イラストに起こした作品の数々が収録されています。

全国の老若男女が応募した作品がナンシー関さんのコメントと共に掲載されているのですが、これが面白いのなんの。

写実風やキャラクター風のものあり、一筆描きのようなものから手の込んだようなものまで作風も様々なのです。

千差万別、一つ一つがオリジナリティーにあふれており、描いた人の思惑や人柄がにじんでいるようです。

かえるとか、鯉のぼりとか。

読むたびにげらげら笑ってしまいます。

著者のナンシー関さんは日本の消しゴム版画家で、コラムニストです。

独自の視点で語る「テレビ批評」と、著名人の似顔絵の「消しゴム版画」で覚えている方も多いのでは。

雑誌に連載されているコラムも読んだことがあった方もいらっしゃるでしょう。

もう一つ、特筆すべきはナンシー関さんの着眼点です。

『「牛の王国のバカ王子です。牛なのに「モー」ではなく、「ふぁー」と鳴くこのバカ王子。国王の悩みのタネですが、国民には意外と人気があります。』
(ナンシー関　記憶スケッチアカデミー　お題「牛」48歳主婦のスケッチ講評より)

こんなこと、普通言えない。

記憶スケッチがまっさらのまま自分のもとに来たとして。本物と違うのはわかるんだけれど、その絵のどこが可笑しく笑っちゃうのか、自分がうまいこと指摘できる気がしません。トンチンカンなことしか言えない気がする。

ぱらぱらめくるだけでも楽しい『記憶スケッチアカデミー』、一人でクスクスしながら読むのも良いんだけれど、お友だちに貸し出すのも良いものです。

「元気だしなよ」と言葉で励ますのもよいけど、疲れてたり、悩んでいたりする誰かがいたら、「これ、私のおすすめ本。　笑っちゃうよ」なんて言って、この本をサッと差し出したい。

調べてみると、ナンシー関さんの消しゴムハンコグッズもたくさん販売されていることがわかりました。

インパクトも強く、それでいておかしみもあって可愛い！思わずほしくなってしまいます。